国立西洋美術館本館は、フランスの建築家ル・コルビュジエが日本で唯一設計した建物で、随所に新時代の建築アイデアがちりばめられている。現代ではあたりまえとなっているピロティ、スロープを活用した空間の見せ方などは当時では斬新なアイデアだった。
国立西洋美術館 建築探検(みどころ)マップ(外部リンク)
世界遺産登録の正式名称は、「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」。ル・コルビュジエが手がけた7か国17作品のうちのひとつとして登録されている。
国立西洋美術館は9:30~17:30開館(冬期~17:00。金曜は~20:00。入館は閉館の30分前まで)、月曜休館(祝日の場合は翌火曜)。東京・上野にあるため、近隣の浅草、両国や東京スカイツリー(R)などと合わせた観光もおすすめだ。
2014年6月に国内で18件目の世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、日本産業の近代化に貢献した点が評価された。115年間、現役の工場として稼働した当時の建物がほぼそのままの姿で残されている。みどころは、木骨レンガ造の建物の美しさと、当時のままの姿を残す繰糸場内部。
富岡製糸場見学料は大人税込1,000円。解説員による案内つきツアー(約40分)がおすすめ。毎週木曜日はフランス式繰糸器の実演も。休場日は毎週水曜日。伊香保温泉や軽井沢に近いので、上手に計画して世界遺産への旅を楽しみたい。
(群馬県・磯部温泉)
世界遺産より約9km、車20分
(群馬県・磯部温泉)
世界遺産より約9km、車20分
(群馬県・高崎)
世界遺産より約18.9km、車38分
古くから信仰の対象として、また文学・芸術の源泉として人々に愛されてきた富士山。みどころはもちろん、日本の最高峰としてのその優美な姿、大きさと周辺の景観だ。観光地としても充実しているので、ぜひ周辺に宿泊してゆっくり楽しみたい。
文化遺産富士山の構成資産は、山中湖、河口湖、忍野八海、白糸の滝、富士山本宮浅間大社などを含む25資産。構成資産をめぐるのに便利な路線バス「世界遺産めぐりルート」などを利用して、計画的に観光しよう。静岡側からアクセスのよい箱根や熱海・伊東とあわせた観光も人気。
(山梨県・河口湖)
富士スバルライン5合目まで約33.5km、車46分
(山梨県・富士吉田)
富士スバルライン5合目まで約30km、車44分
(静岡県・御殿場)
富士スカイライン5合目まで約38.4km、車54分
岐阜県と富山県にまたがる「白川郷・五箇山(ごかやま)の合掌造り集落」は、豪雪地帯での暮らしに耐えるために工夫された特徴的な建築物「合掌造り」と、集落の自然景観の美しさがみどころだ。内部見学可能な家屋に入り、人々の工夫を体感したい。白川郷では展望台からの眺めがおすすめ。また民家を保存してある野外博物館「合掌造り民家園」にぜひ立ち寄りたい。
世界遺産周辺に1泊して風景を堪能するのもよいが、白川郷からアクセスがよい飛騨・高山、下呂温泉、奥飛騨温泉郷などの宿泊とあわせた旅行が人気。また、金沢から1時間15分、名古屋からも約3時間の高速バスが出ているので、旅の途中の日帰りプランに合掌造り見学を組み入れることもできる。
(岐阜県・白川郷)
白川郷より約4.3km、車12分
(富山県・五箇山)
五箇山より約3km、車8分
(岐阜県・高山)
白川郷より約48.1km、車55分
東照宮、二荒山神社、輪王寺の103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)の建造物と、周囲の自然環境が世界遺産。みどころは、天才的な才能をもった芸術家たちがつくった建造物の数々。観光の中心は東照宮。2017年3月に陽明門の改修工事も完了。唐門、五重塔、三猿、眠り猫など、一日中見ても飽きないほどみどころ豊富。日本三大奇橋のひとつ神橋にもぜひ立ち寄ってほしい。
日光には女性に人気の温泉宿やおしゃれなカフェも点在するのでデートにもおすすめ。せっかく日光へ行くなら、華厳の滝、中禅寺湖、戦場ヶ原など奥日光の自然美も楽しみたい。また、鬼怒川、那須・塩原などの人気スポットと合わせた旅も。
島の誕生以来、一度も大陸とつながったことがない海洋島。独自の進化を遂げた生態系が評価され、世界自然遺産に登録された。紺碧(こんぺき)の海に囲まれた独特の景観、本州では見られない希少な動植物など、自然の素晴らしさを満喫できる。夜は美しい星空が広がる。
小笠原諸島へは定期船かクルーズ船で。定期船「おがさわら丸」は東京・竹芝桟橋を出発し、24時間で小笠原諸島父島に到着。島ではドルフィンウォッチングやホエールウォッチング、トレッキング、サイクリングなど、さまざまな方法で魅力を堪能しよう。遊覧船から島を眺めるのもおすすめ。島ずし、亀刺しなどの島グルメも楽しみたい。
世界遺産登録を目指す文化財や建造物は、各国がユネスコ世界遺産センターに提出している「暫定リスト」から推薦されます。日本の「暫定リスト」に掲載されている世界遺産候補地を紹介します。
「武家政権」はじまりの地として、源頼朝の幕府設立から約150年にわたり政治の中心都市となった鎌倉。世界文化遺産登録を目指している。鶴岡八幡宮、鎌倉大仏はもちろん、竹林の美しい報国寺、四季折々の花を楽しめる長谷寺などみどころが豊富。
史跡はもちろん、旬の鎌倉野菜やスイーツなどのグルメ、ショッピングスポットも充実。計画的に古都散策を楽しみたい。自転車を借りて効率よくめぐる旅もおすすめ。時間があれば由比ケ浜海岸、稲村ガ崎にも立ち寄りたい。
古来から「金の島」と呼ばれてきた佐渡では、400年以上もの間採掘が行われてきた。世界有数の産出量を誇り、江戸幕府や明治政府の貴重な財源となった。その歴史を物語る産業遺産や関連文化財が残っており、世界遺産登録を目指している。
観光コースを利用しての見学がおすすめ。「宗太夫坑、道遊坑共通券(大人税込1,400円)」を購入すれば、江戸期と明治以降の両方の坑道を見学できるほか、「道遊の割戸(どうゆうのわれと)」を間近に見られる展望台などにも立ち寄ることができる。
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新聞記者、フリーライター、雑誌・旅行ガイド編集者を経て、現在旅行会社の編集部門に勤務。2014年3月、日本旅行業協会(JATA)より世界遺産スペシャリスト認定を受ける。温泉ソムリエマスターの資格も保有しており、旅行系編集者として記事執筆、ウェブページの編集を行なっている。日本の世界遺産の発展と旅行需要喚起を目標に活動している。
2014年7月より新設された世界遺産検定4級対応の公式テキスト。4級は中学2年生以上を対象としており、日本の遺産を中心に、日本と海外の遺産の比較や代表的な世界の遺産の全50件を解説している。世界遺産検定は、マイスター、1級、2級、3級、4級の各級がある。